「ザ・キタノホテル東京」は、2019年4月に東京・平河町に開業した高級ブティックホテルです。こちらは、元々長期滞在者向けアパートメントホテル「北野アームス」があった場所。今回、建物の老朽化に伴い建て替えを行い、高級ブティックホテルへと変貌を遂げたということです。ブティックホテルという言葉は、日本ではあまり馴染みがありませんが、デザイナーズホテルと同様の意味のようです。
また「日本風おもてなし」で有名なニューヨーク・グランドセントラル近くのザ・キタノホテルは姉妹ホテルとなります。こちらは文化人だけでなく、シャラポワやフェデラー、錦織選手も泊まるほどのホテル。ニューヨークにいった際に、ザ・キタノホテルをみて、泊まってみたいなーと言っていたのを思い出します。
さて、今回グランドオープンしてまだ日の浅い5月に宿泊する事が出来たので、お部屋、お料理、サービスまで体験してきた事をご紹介しようと思います。
- ザ・キタノホテル東京
- レセプションとチェックイン
- お部屋(プレミアルーム)
- ウェルカムスイーツ
- 館内散策
- キタノアームスラウンジ (クラブラウンジ)
- 朝食@レストラン「サン・パウ」
- 少し残念だった点
- Bottom Line
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ザ・キタノホテル東京
▲2019年4月に開業ということで、非常に新しい雰囲気が漂っていますが、元々北野アームス自体は1964年創業。50年の間に培ったおもてなし、サービスのノウハウ、経験を基に、きめ細かで、ゲストが構えずに寛げるホテルを目指すとのこと。全72室。
▲夜になると街灯と共に、ホテルのあかりも灯って雰囲気が出てきます。首都高が近くにありますが、国会議事堂や皇居に近いエリアなので、人通りもある程度少なく、静かめのエリアであることは間違いないです。
レセプションとチェックイン
▲こちらはロビーの盆栽。見事です。15時すぎにホテルに行くと、エントランスにはドアマンが待ち構えており、ドアを開けると共に宿泊かどうかを尋ねられます。
▲そして、アテンドされてレセプションまで。こちらにはレセプションのほか、コンシェルジュもありますが、デスクは二つ。全72室なので、そこまで混むこともなく案内することができるのでしょう。この時も私以外のチェックイン客はおらず、すぐにチェックインできました。
今回はホテルの8Fにある「プレミアフロア」というクラブラウンジが使えるお部屋を予約していきました。が、なんとラウンジは未稼働とのこと。加えて、ルームサービスもないとの説明を受け、結構、いやかなりがっかりしました。(※後述します。)
お部屋(プレミアルーム)
▲お部屋の全景はこんな感じ。キングルーム、36㎡のお部屋です。手前に水場が配置されているレイアウトで、こちらは皇居側のお部屋です。建て替えたばかりなので、設備のヘタリや塗装のハゲなど、古い感じが一切なく、心なしかウキウキします。また、このフロアのインテリアはシカモアという高級木材を用いているそう。このシカモアという木材は、色調のムラが少なく、発色も良いので、部屋の明るさ、ラグジュアリー感を出すのに一味買っているなーと感じました。設計者、建築士のこだわりを感じますね。
▲ベッド・ソファエリアです。ラグジュアリー感のあるディープグリーンが基調となっています。ちなみにマットレスは固めでした。日頃の疲れがよくとれそうです。
▲お部屋の中にもアートが飾ってあります。レセプションで説明を受けましたが、ホテル内には竹中工務店と建築士に頼んで、アートを多くとり入れてもらったとのこと。
▲ソファエリアには盆栽、そして丸テーブル。こちらのテーブルはソファでくつろぐ際には使い勝手良かったです。木の手触り感も良く、欲しくなりました。笑。
▲ベッドから窓にかけて。ホテルという「洋」の空間でありながら、盆栽が「和」の感じを出すのに一味買っており、上手に和洋折衷されているように感じます。
▲ワーキングデスク。こちらには、タッチパネル端末とBluetooth接続でハンドサイズのスピーカー。仕事もはかどりそうです。笑。
▲タッチパネル端末は、館内案内であったり、ルームサービスを頼んだりするためのものでしたが、色々とまだできていない感じ。ところどころ「鋭意制作中」の表示が見られました。
▲テレビは50インチサイズのものでした。Blu-rayディスクプレイヤーも備え付けてあるので、DVDを借りて引きこもるのにはちょうど良いですね。
ウェルカムスイーツ
▲ウェルカムスイーツとして、チョコレートが部屋に置かれていました。一口サイズ。
窓からのビュー
▲窓からは皇居ビュー。両脇に高層ビルがありますが、ある程度の見晴らしは確保されています。
▲夜はこんな感じ。夜の首都高もいいですね。車通りも徐々に少なくなっていくので、写真撮影にもちょうど良いと思います。
水周りとアメニティ
▲洗面台はお部屋に調和するよう配置されています。シンクはボウルタイプのシングルで、アメニティ類もこちらに用意されています。
▲歯ブラシ等の基本的なアメニティセットはこちらの箱に入っています。バスソルト、マウスウォッシュなど、ちょっとしたものも入っています。
▲バスタオルは「KITANO HOTEL TOKYO」の文字のある今治タオル。今治タオルは吸湿性が良いので、お風呂も快適に入れます。
▲浴室はこんな感じ。バスはガラスコートされているタイプ。専用のテレビがついているほか、湯船に浮かせて楽しむタイプのアヒルもセットされているので、お風呂をゆったり楽しむことができます。
▲アメニティはMiller Harris(ミラー・ハリス)のTea Tonique。ミラーハリスは、2000年ロンドンに誕生したメゾンフレグランスで、厳選された植物由来のボタニカル原料にこだわった香りが特徴的なブランドです。こちらはベルガモットをはじめとしたリフレッシングな香りがして、使うたび気分が高揚するようです。
▲用意されているナイトウェアはこんな感じ。シンプルなものですが、なぜか反対に畳まれていました。
ミニバー
▲ネスプレッソ、ポットは当然のごとく用意されています。水はセットされていませんでした。
▲カプセルは箱入りで各一種類ずつ用意されています。無料のティーパックのほか、ペットボトルは二本用意されています。頼めば、追加で二本までは用意してくれるとのこと。
▲冷蔵庫の中はフリーだそうですが、少し貧相ですね。アサヒビールと、コーラと、ミニッツメイドが各2本ずつ。
カードキー 
▲カードキーは、ザ・キタノホテルのマークがプリントされたシンプルなものとなっています。
館内散策
▲お部屋だけでは物足りないので、少し館内を散策してみました。こちらは廊下。二階から上は吹き抜けとなっています。中庭側がガラスとなっているため、光の差し込む廊下となっています。大変印象的です。
▲こちらは2F。孟宗竹のアトリウムが配置されています。このほか、レストラン サン・パウとティーラウンジが同階層に配置されています。
キタノアームスラウンジ (クラブラウンジ)
▲最上階には、クラブラウンジである「キタノ・アームス・ラウンジ」があります。が、今回は大変残念なことに保健所の利用許可が取れていない、フード提供の段取りができていない等の理由で未稼働のため利用できず。また、いつから利用できるのかとの質問にも「稼働予定は未定」とのことでした。これは正直不満ですね。悔しかったので、頼み込んでラウンジの現状の感じだけ見せてもらいました。
▲ラウンジはこんな感じで、稼働を待っているということでした。奥にはソファ席も配置されています。またフードもおそらく、館内レストランが提供するとのことだったので、利用できるようになれば、確かに素敵なクラブラウンジになることでしょう。
朝食@レストラン「サン・パウ」
▲レストラン「サン・パウ」は、ミシュラン3ツ星の女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダシェフのスペイン料理のグランメゾン。本店はスペイン・カタルーニャのサン・デ・ポル・マルにあり、毎日スペイン本店とミーティングをして「サン・パウ」の真髄を伝えるべくしているのだそう。今回はこちらで、コンチネンタル・ブレックファストを頂いてきました。
https://www.santpau.jp/index.html
▲テーブルとレストラン内はこんな感じで、落ち着いたおしゃれな印象です。
▲レストラン内には、カタルーニャの食を表すアートが各壁面に飾ってあります。
▲光の入り方も、木洩れ陽のようになっており、気持ちよく朝食を頂くことが出来ると思います。
▲ヨーグルトとサラダ。三種のジャムでヨーグルトを頂くことができます。サラダの盛り付けもこだわりを感じました。
▲パンが6種と、食後にティーかコーヒーを頂くことができます。コンチネンタルなのでこんなものという感じでした。ちょっと物足りないかな。
少し残念だった点
本記事でご紹介しているザ・キタノホテル東京ですが、気になった点もありました。大きくは2つ、未完成なところが多かったという部分、そして、サービスレベルです。
建て替えられたばかりで、設備が新しいのは良いのですが、クラブレベルの料金を取っておきながら (+¥20,000-程)、肝心のクラブラウンジは未稼働で、それに対する補償もないというのは、期待して行った分非常に残念に感じました。(予約ページでは、ラウンジアクセスがあるという旨が記載されていますが、実際には稼働していないのです。。。)加えて、ルームサービスもないですし、設備紹介等も未完成となっています。。。
またサービスについてですが、スタッフの方々はまぁ慣れていないなという感じがしました。が、丁寧にやろうという心意気は感じるものでした。個人的にはそれでも十分ですが、リッツカールトンなどの超高級ホテルであるような「ゲストが言葉にしない願望やニーズをも先読みして応えるサービス」には程遠いものでした。そして特にサービスで気になったのは、提供されるものが一々ケチ臭いところ、です。例えば、冷蔵庫内がフリーなのは良いのですが、ジュース二本と缶ビール一本をフリーにするくらいなら、いっそオリジナルなドリンクも含め、沢山入れて有料の方が私はまだ良いと思います。ホテル側の「コストを使いたくない」というのが何にも透けて見えるようで、ラグジュアリーを感じるとともに寛ぐというのは、少なくとも私にとっては難しいことだったように思います。
Bottom Line
東京・平河町に開業した高級ホテル「ザ・キタノホテル東京」に宿泊してきました。
事前に、ザ・キタノホテル・ニューヨークの良い評判を見たり、高級ブティックホテルとしてサービスを売りにしていくとのことで、非常に期待をして行きました。実際、ホテル内の「和洋」が上手く織り合わさった感じや、ミシュラン三つ星の高級レストランが入っているところ、設備内のところどころにアートが飾られているところなど、良いところも沢山ありました。
一方で、予約ページ上はクラブラウンジが使えるかのように記載しておきながら、実際は未稼働で利用できず、その補償もないこと、サービスがまだまだ高級ホテルと呼べるものではないこと、など残念なことも多くありました。今回のホテルを一言で評するならば「建物は立派だが中身が伴っておらず、とても勿体無いホテル」といったところでしょう。
上記のようなこともあり、多くの方にとっては少なくともクラブレベル宿泊はラウンジが稼働するまで避けた方が良いのかもしれません。クラブラウンジが稼働し始めれば、あるいは評価が覆るのかもしれませんが、都内の同価格帯のホテルでサービスが良いところは沢山ありますし、少なくとも私は今後同ホテルを利用することはないでしょう。
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